2021 第3節 レビュー 湘南ベルマーレVS鹿島アントラーズ
2連敗で迎えアウェーの鹿島戦ですが連戦が続く中でメンバーを入れ替えて臨む形になりました。鹿島は2節がガンバ大阪のコロナウイルスの感染拡大による中止の影響で1週間ぶりの試合となりました。
前節までの湘南は相手が3バックになると前からプレスがはまらないという問題があり4バックの予想される鹿島相手には前からプレッシャーをかけて速い攻撃を期待したいところでした。
前節のレビュー記事を読んでいない方ははこちらからぜひ読んでみてください
ばらばらだった前半
前半は鹿島に押し込まれる展開が続きハーフコートゲームになってしまいました。連戦の影響で大きくスタメンを変えたことで連携がうまくいかないばらばらの前半だったと感じました。また戦術理解の面でも普段のメンバーとの差が出てしまい前からプレッシャーをかけられない場面が見られました。
しかし敏さんはスタメン組を休ませることとともに、サブメンバーを出すことでスタメンを奪うんだ!という高いモチベーションでプレーすることを望んだんだと思います。しかし前半は鹿島に圧倒され自陣に張り付かされてしまいました。
そんな中でベルマーレがどのように守備をおこなっていこうとしていたかについて解説します。
ベルマーレは上田とエヴェラルドの高さを警戒して機動力よりも高さを優先してセンターバックに山本を配置してきました。
その中で鹿島は土居をスタメンにおいてきてベルマーレが前からプレスをかけてきたときにサイドに流れてボールを受ける動きとエヴェラルドへのロングキックのこぼれ球を回収される役割を期待してスタメンに起用しました。鹿島のビルドアップの特徴は永木が流れて三枚でボールを回すビルドアップで町田がサイドに開くため永戸が高い位置をとるビルドアップをしてきました。
また土居がハーフスペースで受ける動きがありそこを起点にされる場面が多かったです。先制点の場面は土居からのクロスによって生まれました。ここからも土居のボールの受ける場所が良かったことがわかります。
ベルマーレの守備は相手が4バックだったこともあり、去年から取り組んできたディフェンスの形をとります。
センターバックがサイドバックにパスを出した瞬間にインサイドハーフがボールにプレッシャーをかけに行きます。相手が3バックの場合なかなか前にいけない場面も多かったですが4枚だとかみ合いやすく前からいける場面が前節までよりは多かったしチャレンジしていたと思います。
しかし後ろの3枚は後ろのスペースのケアのためにラインをどんどん下げていってしまいました。それによって前から行ったとしてもロングボールをけられ、クリアしてもセカンドボールを拾われる場面が多かったです。間延びするとどうしてもセカンドボールが拾われてしまう場面が増えてしまいます。なので舘のカバー力に賭けてもっと前にライン設定をしてもよかったとも思います。
しかし早い段階で先制されたことによって浮足立ってしまいました。
また平松が相手のボランチや中に絞ったサイドハーフにずっとマークについていて前からかけれるのにボールホルダーにプレスを行く人がいないという場面もありました。
山田直輝は積極的に前から言ってくれていたことによって相手に圧力をかけれた場面はありましたが、そこ以外からはプレスは掛かりませんでした。その結果ずるずると下がってハーフコートゲームの前半になりました。
飲水タイムの後はラインを下げて2点目をあげないという戦術に変更して我慢する前半になりました。
三枚替えから見えた攻撃の形
後半開始から岡本、茨田、田中聡のスタメン組が入って前半との違いを見せようとします。
この交代によって攻撃に迫力が出たことで得点の雰囲気が出ます。しかし田中聡のけがによる交代、その後の失点によりさらに苦しい試合になってしまいました。
しかし3人が入ったことにより攻撃の形でいいところは随所に見られました。
真ん中でワンタッチで崩す場面はスピーディーで相手もついていけない場面がありました。その分いい時間で点が取れるチームになってほしいとより感じました。
最後は町野のシュートで終わった場面ですがこの場面は左サイドに人を集めて逆サイドまで持っていく形はベルマーレのこれまでの試合に見せていた形です。山田直輝の展開力と古林の中にパスを出す能力を生かした戦術で、とてもいい形でした。
今年もこの形が多くできると岡本のゴール数がより増えてくると思います。
ベルマーレが352を使う理由
今回はレビューだけで終わらせずにTwitterなどでなぜこのフォーメーションなのかについて疑問を感じている人が多かったので解説していきたいと思います。
まず現在5レーン理論が流行っていることもあり5つのレーンにどのように選手を配置することが大事になっています。その中でどこで相手のプレスをはがして、落ち着かせる場所を見つけることができるのかが監督にとってとても大切なことになっていきます。
この図からもわかると思いますがサイドもスペースにいかに人を動かしてフリーでボールを受けれるようにするのかという点が重要です。
その点このフォーメーションだとインサイドハーフがいることで人を動かしてボールをサイドに逃がすことができます。またウィングバックがサイドで受けれる場合はインサイドハーフが相手のサイドバックの裏に動いて裏でボールを受けれるようになります。
なので2ボランチではなく3人ミッドフィルダーがいることでアンカーが真ん中をケアしながらサイドに人を配置することが可能になります。
ディフェンスの場合は現在4バックが人気になっています。そのため相手が4枚で来る場合このフォーメーションだと前に4枚プレッシャーをかけれる枚数がいるためより前かプレッシャーをかけれるためはまりやすくなります。
このような理由により532は私は悪くないフォーメーションだと思います。
未月と金子がいなくなったことにより1対1のあたりで競り負ける場面は増えてきました。なので田中聡を中盤に置くなどもっと戦える人が増えてくるとおのずと試合に勝つことができると私は感じています。
また古林が左サイドで起用されていることは左サイドでボールを受けた時に中にパスをしっかりと通せることから起用されていると思います。
その点サイドだからアップダウンだけをやればいいというものではないことから古林はよくできていると私は思いますし、スタメンでこれからも活躍できると思っています。
以上で3節のレビューを終えたいと思います。
今回は苦しい試合で見返すのもきつい試合でしたが次に期待したいです。